原稿落としそう
進捗がやばい。一文も書けてない。
なので今ちょっと書いてみた。
ノーミュージック、ノーライフ。大手レコード店のコーポレートコピーだったと思うけれど、趣味として音楽を楽しむ人の合言葉のように世間では扱われている。
嘘をつけ。人は音楽がなくても生きていける。
そりゃあオーケストラの演奏者だったり路上でギターを弾いて小銭を稼いでいる人は反論するかも知れない。でも彼らの音楽のリスナーは好きで聴いているのであって、生命維持のために聴かざるをえないわけじゃない。音楽は空気じゃない、水じゃない、塩でもない。
嗜好であり娯楽であり文化であり、必要ではないからこそ音楽は価値を持つ。あんな標語、ファッションアイテム以外のなにものでもないのだ。
意地の悪いことを言っている自覚はある。拗ねてケチをつけているだけ。それは分かっている。分かっているけれど。
ノイズキャンセリング機能つきのイヤホンをアイポッドに挿して音楽を聴いていると外の雑音は聞こえない。それなりに値が張っただけあって遮音性は高く、意図を持って送り出された音だけがチャンネルを独占する。ボリュームを高めにしていたこともあり、売れないロックバンドのギターサウンドで耳はちょっと疲れてきていた。そろそろ頃合か。
レジを背にして、へんてこなチョコレート菓子が見切り三割引で置かれる棚の前で深呼吸ひとつ。店内放送でなにかしらのポップスが流れてはいるだろうけれど、念のため。
おぼれませんように。そう心の中で呟いてから、イヤホンを外した。
※画面は開発中のものであり、 変更の可能性があります