ふかふか団地ブログ

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2018年11月25日(日)第二十七回文学フリマ東京に参加予定。
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今年観た映画11本についての覚書き その①

お前はアニメの話 あと草の話ばっか
ただのクソラッパー
昔は確かに凄かった
だけど今は俺の方がヤバイanswer

フリースタイルダンジョン』Rec5-3 輪入道 VS 漢a.k.a.GAMIより) 

自分でも何故今このラインを引用したのか分からない……。(このバトルで映画の話をしていたような気がしたけどしていなかった)(フリースタイルダンジョン史上ベスト5に入るくらい好きなバトル)

 

備忘録も兼ねて、今年映画館で観た新作映画についての思い出を、めちゃくちゃ簡潔に書いていこうと思います。

 

①劇場版プリパラみ~んなでかがやけ!キラリン スターライブ!

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今年初めて劇場へ脚を運んだ映画。映画というのが人生経験だとすれば、今年最初にして最大の体験をさせてくれたのが、この『劇場版プリパラみ~んなでかがやけ!キラリン スターライブ!』だと思っている。

 

そう、観客が私しかいなかったのだ……。

 

封切りから日が経った回の上映で『劇場版プリパラみ~んなでかがやけ!キラリン スターライブ!』を観るためには、朝早く映画館へ赴く必要があった。

 

私は仕事の休みが月火であり、これらの状況が有機的に絡み合った結果『平日の朝早くからプリパラを観に来るおじさん VS おじさん1人しか観客がいない回でも予定通り上映を行ってくれる映画館』の60分1本勝負が繰り広げられることとなった。

 

ニュー・シネマ・パラダイスのラストシーンのように、大好きなプリパラアイドルたちのライブを観ながら、映画館の中心で静かに涙を流していました。おじさんにもちゃんとぷちゅうコーデのプリチケくれたの優しいと思う。

 

舞台がぷちゅうというからにはTOHOシネマズ府中でも上映すべきだったのでは?

 

夜明け告げるルーのうた

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確か、アカシアさんがよいと言っているのをみて、サイトを観て調べてみたら、寿美菜子さんが出演されている上に、キャラクターデザインがねむようこ先生だったので、仕事が終わったその足でレイトショーに飛び込んだのだった。

 

観終わった後、すぐにパンフレットを買い、そして結果的に2回目を観に行くことになった。

 

湯浅政明監督の作品だという意識はなくて、後から『ピンポン』とか『ちびまる子ちゃん 私の好きな歌』の人であることを知った。後に早稲田松竹に連れて行ってもらって『夜は短し歩けよ乙女』『マインド・ゲーム』も観ることとなった。

 

順位をつけるつもりはないけど、好きという意味では本年ベストのオリジナル映画はこの作品。湯浅監督を自覚することが出来たのは、個人的には非常に大きなことだったと感じている。もちろん映像技術的な素晴らしさもあるのだけど、個人的には、それ以上に物語的な構造が非常に共感するし、目指すべき点であるとすらも感じさせられた。

 

映画監督としての作品の多くは、男の子が女の子のために、文字通り必死になることで世界が変わるお話たちであり、『君の”好き”は僕を変える』というキャッチコピー(これがめちゃくちゃよい)の通り、この映画も閉じた貝が開くまでの話であり、カイがルーのために歌を歌うこと(愛してるを伝えること)で目の前に広がる世界は文字通りに明るくなる。

 

寿美菜子さんの役柄もとてもよい。みなちゃんが演じた遊歩はオレンジ髪のおてんば社長令嬢という、スフィアの4人で言えばオレンジの人がめちゃくちゃ嵌りそうな役柄なのだけれど、個人的なことを言うなら、この女の子を演じる寿美菜子の声から戸松遥成分の残滓を想像するという極めてきもちわるいことをしていた。

 

自信を持って広くオススメしたい1本。

 

 

夜は短し歩けよ乙女

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こちらも湯浅政明監督作品。はらひろさんに早稲田松竹に連れて行ってもらって観た1本。名画座に行くのは初めてだったので、入場料のみ払えばいくらでも観ていいという仕組みに感動があった。

 

世間的により多く観られたのはこちらの方だと思うし、私も個人的感情を抜きにして、完成度の面だけで言ったらこちらの方を上に取ると思う。

 

この世代の文芸部員として、到底あるまじきことなのだけれど、私は森見登美彦にマジで一度も触れないままこの映画を迎えてしまった。よく信じられないなお前と言われてきたし、こんなんが代表でごめんな……。ので、申し訳ないのだけど原作は読んだことがない。

 

映画だけ観た感想としては、ほぼ完璧なエンターテイメントだと感じた。一夜の出来事としたのは映画版の設定と聞いたのだけど、これは「人によって(年齢によって)時計の速さが違う」という演出がめちゃくちゃ利いていて、仮に非現実的だったとしても、映画としては大正解だったと感じている。

 

私はあまり映画館で笑ったりしない方なのだけど、ニヤリという意味でもゲラゲラという意味でも、色んな意味でめっちゃ笑わされたし、観終えた後の感情は「楽しかった」だった。プリパラの項で言ったように、映画は体験なのだとすれば、私が想像する「世間が映画に求める体験」の私版の究極系に近い作品。先輩のまずめちゃくちゃ外堀を埋めようとするムーヴが完全に私である。

 

メアリと魔女の花

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アカシアさんと静岡で一緒に観た。

 

好きという意味では米林監督の『思い出のマーニー』がスタジオジブリの全作品の中で個人的に一番の作品であったため、評判がどうあれ観に行こうとは思っていた。

 

思うところはたくさんあったけど、この映画そのものが、米林監督のスタジオジブリに対する(ジブリの正当後継者という世間の目に対する)盛大な『禊』みたいなものだと感じたので、この映画だけで評価するというのは難しくて、この禊を終えた米林監督が次に世に放つものが真価であるように思えた。

 

この映画一発で、そうした目を全て払拭する力を私は感じ取ることが出来なかったけども、相手があのスタジオジブリなので、映画一本分くらいは儀式に使わなきゃ仕方ないし、使っていいんじゃないかなとも思った。

 

というか、夏に観た大作劇場作品全体に文句があるのだけど、売り出し方が悪すぎる。打ち上げ花火とか、打ち上げ花火とか、打ち上げ花火とか。

 

私が『米林監督の個人的な作品』という受け止め方をしたせいも大いにあるし、メアリは打ち上げ花火よりははるかにマシだった(『魔女、ふたたび』はテーマ的にも間違いではない)けど、それでも宣伝の打ち出し方と中身とのギャップがあったように思う。まあお金稼がなきゃしょうがないし、スポンサーつけなきゃなのも分かるのであれなのだが……。

 

劇場から出た私が、アカシアさんに告げた第一声が「一つ言えるのは、これはふともも映画だったと思うんですよね」ということだったのを覚えている。私はいつだって本気だ。

 

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

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fukafukadanchi.hateblo.jp

 

もうこの映画の話をしたくない!!!!!!!

 

私の貴重な夏の日をモヤモヤの解消のために奪っていった映画。

 

今でも、たまにあの日々を思い出しては自己嫌悪に陥っている。叫び散らしたせいで、なんか一部で私が打ち上げ花火の人みたいになり始めたところまで含めて、なんでや!!!!!となる。改めて言っておくが、私はこの映画のことを決して評価している訳ではない。情状酌量の余地があるという話をしている。

 

映画で困ったことがあったら、奢ってでもあずにゃんと一緒に観に行くことにしようと勝手に心に誓った一件ではあったし、インターネット自称シネフィルマンたちは言うほど信用できる存在ではない(これは評価に対してではなく、正当に物語を解釈できていないという意味で言っている)ということも理解したので、得るものが無かった訳ではありません。

 

広瀬すずさんの『瑠璃色の地球』を聴くためにこの映画がある。あと実写版ドラマは掛け値なしの名作だし、若い頃の奥菜恵さんが犯罪の匂いがするえっちさを身に纏っており、なずなの役が非常に嵌っている。若い頃の奥菜恵さんを観るためだけに観る価値がある。

 

 

思ったよりサクサクいかなかったので、もう一本記事を書きます。