ふかふか団地ブログ

文芸サークル『ふかふか団地』についてのお知らせや、メンバーの日記を公開していきます。

2018年11月25日(日)第二十七回文学フリマ東京に参加予定。
ふかふか団地の既刊小説誌を売っています

僕の中の園田智代子というアイドルについて

そして僕は何度でも繰り返す。彼女が『アイドル』であることを証明するために

f:id:fukafukadanchi:20180808010956p:plain

f:id:fukafukadanchi:20180808010834p:plain

f:id:fukafukadanchi:20180808010848p:plain

時間遡行を繰り返す園田智代子

外付けチョコアイドル

 

「アイドルとは何か」ということを、僕はいつも考えている。

 

でもそれは、僕以上に彼女自身が一番考えていることのようにも思えた。

 

友達と一緒にオーディションに参加して、見事にアイドルの座を射止めた園田智代子は、アイドルに憧れこそ持っていたものの、まさか自分がアイドルになれるとは思っておれず、今でも自分の魅力には自信を持てていない。

 

普通で、個性がなく、アイドルとしてこれで大丈夫なのだろうかと不安を感じた智代子は、友達に呼ばれている「チョコ」というあだ名だけをアテにして『チョコアイドル』を自分のアイデンティティとして活動することに決めた。

 

f:id:fukafukadanchi:20180808011822p:plain

友達に呼ばれているあだ名からアイドルの方向性を決める園田智代子

 

チョコだけでなく、ごはんを食べるのが大好き。*1両親や友人たちにも愛されて、きっとたくさん『かわいい』と言われて育ってきたのではないかと思う。

 

周りのことを誰よりもよく見ている智代子*2は、他人の魅力にはよく気付く。だからこそ、自分と比較してしまう。

 

所属するユニット・放課後クライマックスガールズの強烈なメンバーの中で、自分は『普通の女子高生』でしかなく、特出した個性が無いと悩んでしまう。

f:id:fukafukadanchi:20180808013228p:plain

自身の個性が『外付け』であることを認める園田智代子

 

きっと、智代子が思い描く『アイドル』というのは、生まれながらにそういう星の下に生まれ、生活や環境の中で育まれてきた、自然でありのままな『輝き』の中にあるのだと思う。

 

私自身、アイドルマスターシャイニーカラーズを始めたのは、同じ放課後クライマックスガールズに所属するアイドル・西城樹里ちゃんの姿に惹かれたことがきっかけで、それは内面よりも、外見から得られる情報でそう思わされたものだ。

 

だけど、いろんなアイドルをプロデュースしていく内に、気づいたら智代子のことばかりを考えるようになっていた。*3

 

それは、智代子が何もない普通の女子高生であることを自覚しながら、それでもアイドルで在りたいと強く想い続ける姿や、名前と似ているだけで手にとった『チョコ』という個性を、アイドル・園田智代子を構成する一番強力な武器として昇華させていった、触れてみなければ分からなかった姿にこそ、惹かれていったのだと思う。

 

 

アイドル・園田智代子

 

そんな智代子も、アイドルとしての最高峰・W.I.N.G優勝を目指す最中で『チョコアイドル』を諦めようとする瞬間もある。

 

それはあくまで、アイドルとして、誰かに選んでもらうための『チョコ』だから。結果が出なくなると「これでいいのか」と悩んでしまうのは必然だった。

f:id:fukafukadanchi:20180808020509p:plain

f:id:fukafukadanchi:20180808020514p:plain

オーディションに落ちたことで新しい個性を模索する園田智代子

 

当然、そんな付け焼刃な路線変更が上手く行くはずもない。

 

しかし、そこでファンと向き合ったことで智代子は気づいていく。

 

あの日、手にとった『チョコアイドル』が、いつの間にか自分自身の中だけでなく、誰かにとっても大切な一部分になっていたことを。

f:id:fukafukadanchi:20180808021247p:plain

f:id:fukafukadanchi:20180808021102p:plain

f:id:fukafukadanchi:20180808021107p:plain

f:id:fukafukadanchi:20180808021225p:plain

『チョコアイドル』が『ありのままの自分』になっていたことに気付く園田智代子

 

無理をしないで、そのままの自分でいられるチョコアイドル。

 

その姿に、かつて自分が夢見た『アイドル』と同じような羨望や憧れを向けられているのだと認められた智代子は、チョコアイドルとしてだけではなく『アイドル・園田智代子』を肯定できるようになっていく。

 

W.I.N.G準決勝では、緊張を落ち着かせるためにチョコを食べていた智代子も、決勝では、チョコを食べることなく、園田智代子として、胸を張ってステージへと向かっていった。

f:id:fukafukadanchi:20180808021907p:plain

チョコ以外の仕事が多くなり、寂しさを覚える園田智代子

 

「アイドルとは何か」ということを、僕はいつも考えている。

 

「アイドルは物語である」と誰かが言った。

 

特別に焦がれてアイドルの世界に足を踏み入れた、自分に自信を持てない普通の女の子。

 

最初に見つけた自分のキャラクターを信じ続け、そこで特別になるための努力を重ねて、そのキャラクターは、いつしか誰しもが認める『自分自身』になっていく。

 

その美しく鮮やかに変わりゆく姿が『アイドル』でなくて何だというのだろうか。

 

自分に自信が無い彼女が、それを自覚することは無いのかも知れないけれど、だとすれば、彼女の自身が『アイドル』であることを証明するために、僕はチョコっとずつでもプロデュース活動を続けていきたい。チョコだけに。

 

f:id:fukafukadanchi:20180808022149p:plain

最高にかわいい園田智代子

*1:ちょこ先輩はー、ご飯をいっぱいたべまーす!

*2:サポートSSRしかないことも、これに関連しているように思う。

*3:時には智代子のために3万円課金したりもした。智代子は引けなかった。