『団地』という生命
東武鉄道は22日、東武スカイツリーライン松原団地駅(埼玉県草加市)の名称を2017年春から「獨協大学前」駅に変えると発表した。副駅名には国の名勝に指定されている「草加松原」も加える。市などの要望を受けての変更。文教都市と観光を発信できる駅名で街のイメージアップを図る。
松原団地は都市再生機構(UR)が老朽化に伴う建て替えを順次進めており、新しく建てられたマンションには「コンフォール松原」という名称を使っている。草加市や商工会議所は鉄道駅を代表する新たな周辺施設として独協大学や、14年に国指定の名勝地となった草加松原を選定。東武鉄道に対して駅名の変更を要望していた。
64年に完成した松原団地は当時、6000戸の住宅があり「東洋最大規模のマンモス団地」と呼ばれた。松原団地駅はその2年前の62年に開業している。
7月になりました。
ふかふか団地は、11月23日(祝)に開かれる第二十三回文学フリマへ向けて、再び始動していきます。
人生というのはつくづくタイミングの連続の中に成り立っていて、それが重なる瞬間のことを偶然と呼んだり、必然と呼んだりするのかなと思います。
今回はテーマを『団地』に設定して書いてみようと決まったのは、前回の文フリが終わってすぐの飲み会でのことでした。
そのあとに、私たちが等しく、それなりの関わりを持ってきた団地が「一つの役割を終えたのだな」と感じさせる出来事が起こって、このサークル名を名乗っている以上、そのテーマで書くことが必然的になったように思います。
大学を卒業して2年が経過しているのだけど、卒業してからもかなり頻繁に遊びに行っているので、なんだかんだで、もう6年間は松原団地駅と付き合ってきたことになります。
思い返してみると、入学した時は自分の周りのことで精一杯で、大学の周りの環境にまで目を向けることは、あまりなかったなと感じます。
ただ、大学1年の春休みに東日本大震災がありました。
この日を境に、大学内の耐震強度に問題のある古い建物は、すごい勢いで建て替えられていくことになります。
それと連動するように、大学の目の前に広がる団地群にもシートが被せられるようになり、川を挟んだ向こう側の景色が、日に日に変わっていくさまに、ようやく気付くようになっていきました。
ちょうど私が大学を卒業した後に、ニュースにも記載されているURの再開発による真新しいマンションが完成しました。
その景色は、やっぱり私の知らないもので
「そのまま突っ切ったほうがはやいよ」
と言われた道は、かつては通ることが出来なかった道で。
まあでも、私も卒業したんだし、これから知らないことだらけになっていくんだよねと、当たり前のことに気づかされました。
団地の名前がついた駅の大学で4年間を過ごして、卒業後に再び『団地』という名前で結び付いている自分自身を鑑みると、なんか老朽化による立て替えが進められている中で「いつも通りの日常」である古い建物に住んでいる住民のようだなとも感じます。
一つの建物に何人もの人間が住んでいる団地は、それそのものが一つの命なのだと思います。
だとすればその命は、時代やそこに住む人々の意志に合わせて、形を変えていくものなのだろうとも。
ということで、ふかふか団地3冊目の同人誌のテーマは『団地』です。
団地という建物、団地という生き物に対して、メンバーそれぞれが文章という形でアプローチした1冊になると思います。
このテーマで作るのなら、今後、ふかふか団地というサークルを続けていくにあたって、一つの指標のような、代表作になれるような1冊にして行かなければと思いますので、是非ご期待ください。頑張ります。